「with Elizabeth(エリザベスとともに)」はエリザベスさんにビザ(在留特別許可)を請願するための署名活動をスタート

エリザベスさんのことを取り上げた「The Economist」の記事を紹介します

(Jun 28th 2023 | TOKYO)
Japan is making asylum even harder for refugees
It accepts less than 1% of asylum-seekers, but is ramping up deportations

https://www.economist.com/asia/2023/06/28/japan-is-making-asylum-even-harder-for-refugees


(和訳)

アジア
閉ざされた扉

日本は難民の亡命をさらに厳しくしている
日本は亡命希望者の1%未満しか受け入れておらず、強制送還を強化している。

エリザベス オブエザの人生は、1991年に女性性器切除と政治活動家としての迫害を恐れてナイジェリアから亡命して以来、不安定なままだ。彼女は短期観光ビザを得ることのできる数か国のうちの一つである日本にやってきた。彼女の難民申請は却下されたが、再申請することでなんとか滞在することができた。就労許可がないため、食糧は無料配給に頼っている。2011年と2016年、当局は突然彼女を捕らえ、7ヶ月の独房監禁を含め、合計2年近く拘留した。
オブエザさんの苦境はあまりにも一般的なものだ。申請者の1%未満しか認められていない ― 昨年はたったの202人でみじめな数字だが、それでもこれまでの中では最高の数字だ。(2021年、ドイツは39,000人の難民を受け入れ、G7では最高だった。次はカナダの34,000人である)。申請者は、申請書が審査されるまで何年も(平均4年、時には10年)待たされ、その間にはほぼ何の権利もなく、いつ拘留されるかというリスクがつきまとう。2021年末時点で、日本では13,000人の外国人が難民申請を行っていた。彼らにとって、事態はさらに厳しくなろうとしている。日本の国会は今月、すでに3回難民申請をした外国人を強制送還できるようにする法案を可決した。

日本の高齢化社会は外国人への依存度を高めている。移民労働者の数は過去10年間で約3倍に増え、2022年には180万人に達している。しかし政府は偽装難民があまりに多く入国システムを乱用しているとして、難民への強硬な姿勢を崩していない。人権派弁護士の指宿昭一氏は言う。現実には送還を強化することで日本政府は保護が必要な難民の「処刑ボタン」を押しているのだ。2年前にも同じ法案を通そうとしたが、世論の抗議で阻止された。その時には拘留中のスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリが治療を拒否された後、死亡したのだ。彼女は2007年以来、拘留中に死亡した17人目の人物であった。ハンガーストライキは収容所では一般的なものになっている。

日本の難民政策は一時的に緩和されたように見えた。ロシアの侵攻後、日本は2300人以上のウクライナ人を受け入れた。しかし同時に政府は紛争から逃れてくる人々を排除するためだ国連難民条約の解釈をより厳格にした。ウクライナ人は「準難民」として、あるいは一時的な「避難民」として、1年間の居住許可を得た。他の国籍の人々は同じ扱いは受けなかった。東京近郊に住むクルド人のユセル・メフメットさんはウクライナ人が歓迎されていることを喜んでいるが「クルド人難民を10人でも受け入れてくれたらと願わずにはいられません」。と話す。日本に住む約2000人のクルド人のうち、難民認定を受けたのはたった一人である。

国連は日本にもっと難民を受け入れるよう求めている。この話題はこれまで日本では大きな問題にはなっていなかった。しかし、この法案は “前例のない “抗議を引き起こしたと、野党議員の石川大我氏は言う。法案が可決された6月8日、抗議する人々が国会の外に集まり、議員たちは中でもみ合いになった。活動家たちは、来年5月の施行までにこの法案を廃案にすることを望んでいる。オブエザさんは話す。「私は33年間、ここで平和に暮らしてきました。私は政府に私たちここに留まるチャンスをください、と嘆願します」