オブエザ・エリザベス・アルオリウォさん(55)は現在難民申請中のナイジェリア人。
出身地はデルタ州のアサバ。クリスチャン。入国管理施設(入管)や刑務所に収容されている人々を慰問し、励まし、暮らしの手助けをしている。難民と認められない人や仮放免*のみんなの駆け込み寺のような存在。
伝統的慣習のFGM(女性性器切除)を逃れて14歳で家出。ナイジェリア国内を転々とした後、1991年、24歳で来日。以降、印刷・製本工場、クリーニング店、レストランなどで働いた。
1995年、一度ナイジェリアに帰ったが、入国せず、他の国を回りまた日本に戻った。日本を離れたのはこの時の6ヶ月だけ。
2011年、不法滞在で10ヶ月品川と牛久入管施設に収容される。その後仮放免。
2016年〜2017年、10ヶ月牛久入管施設に収容される。
日本で31年以上暮らしている今も仮放免の身分。
*「仮放免」とは、在留資格が得られず、「非正規滞在」となった外国人に対して、入管が入管施設の外での生活を認める制度。
*仮放免者は就労禁止。国の保険に入ることができないし、居住している都や県から他県へ許可なく出かけることもできない。大体2ヶ月おきに入管に出頭の義務がある。エリザベスさんの場合、他県の収容所、警察、病院などへ援助に出かけるためほぼ毎週移動許可をもらいに品川入管へ行く。
「ここで生きていくには神様の力が必要。困っている人、収監されている人たちに元気を送り、神様の力を送る。困っているのは、仮放免の外国人や入管に収容されている外国人、暮らしに困って犯罪を犯し拘置所や刑務所に入れられている外国人たちばかりじゃない。彼らの日本人妻、日本人夫、子どもたちも助けを必要としている。国籍のない子もいるし、学校に入れない子もいる。病気になっても治療が受けられない人もいる。みんな日本で生きている。でも社会の中に入れないまま。そういう人たちから毎日助けてと電話をもらいます。一緒に考えて、役所に行ってなんとかしてくださいとお願いしています」
(2023年2月11日現在)